国民年金制度の概要と課題について

  • 2月 24, 2021
  • 9月 13, 2021
  • 福祉
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国民年金とは

 国民年金は、全国民を対象とする公的年金の基盤制度である。国民年金の被保険者には、法律上の要件を満たせば当然に被保険者となる強制加入被保険者と、自分の意思で加入できる任意加入被保険者とがある。

強制加入保険者の種別

 強制加入被保険者は、加入および費用負担の違いにより、次の3つの種別に分けられる。

第1号被保険者

 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、第2号被保険者、第3号被保険者でないもの者。

第2号被保険者

 厚生年金保険制度の被保険者。

第3号被保険者

 第2号被保険者の扶養配偶者であって20歳以上60歳未満の者。

任意加入被保険者

 任意加入被保険者は、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者で被用者年金の被保険者でない者、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の日本国籍を有するもの、1965年4月1日以前に生まれた者で65歳以上70歳未満の者等、第1号被保険者として任意加入できる。 

国民年金の給付

 国民年金の給付には、全被保険者に共通する基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)と、自営業者等の第1号被保険者のみの独自給付としての付加年金、寡婦年金、死亡一時金などがある。以下では各年金の給付について説明する。 

老齢基礎年金

 これは、原則として保険料納付済機関、保険料免除期間、合算対象期間を合格した受給資格期間が25年以上ある者が65歳以上に達したときに支給される。支給開始年齢は原則65歳以上であるが、被保険者の希望によって60歳~64歳での繰り上げ支給、65歳を過ぎてからの繰り下げ支給を選択することができる。支給率は、65歳支給の年金額を基準として、70~142%である。老齢基礎年金の額は、満額で年額78万100円である。この年金額は、20歳から60歳に達するまでの40年間の保険料納付を条件に満額が支給され、保険料未納付期間や免除期間があれば、その期間に応じて減額される。また、満額支給される保険料納付済年数には経過措置が設けられている。また、満額支給される保険料納付済年数には経過措置が設けられている。国民年金が発足した1961年4月1日に20歳以上であった者について、60歳に達するまでの全期間について保険料を納付すれば、満額の老齢基礎年金が支給される。

障害基礎年金

 これは、初診において、国民年金の被保険者であった者、またはかつて被保険者であった者で日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の者が、受給資格期間を満たし、障害認定日において障害者等級の1級または2級の障害の状態に該当する場合に支給される。生涯の程度は、政令によって定められている。ただし、初診日前に保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が、加入期間の3分の2以上必要である。国民年金加入年齢の20歳になる前に診察日がある場合にも、障害基礎年が支給される。この場合は、障害の状態にあり20歳に達した後に障害の状態になった時から、支給される。ただし、所得制限があり、本人の前年の所得が一定額を超えると、全額又は2分の1が支給停止になる。障害基礎年金の年金額は2015年4月時点では、2級が老齢基礎年金の満額年金と同額の一律78万100円、1級は1.25倍の97万5100円である。障害基礎年金受給者に、扶養している子がいるときは、子に対する加算がつく。加算額は、子2人まではそれぞれ22万4500円、3人目以降はそれぞれ7万4800円である。また、障害基礎年金と同一の理由について労災保険の障害年金も支給されることになった場合には、障害補償年金に一定の調整率を乗じ、減額支給されることになる。

遺族基礎年金

 これは、以下の4つのいずれかに該当する者が死亡したときに、このある妻または子に支給される。将来にわたって年収850万円を越えると認められる者には、受給権は発生しない。

 ①国民年金の被保険者であること。

 ②被保険者であった者で、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の者であること。

 ③老齢基礎年金の受給権者であること。

 ④老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者であること。

 年金額は子の数に応じた金額である。妻または夫に支給されるときは、78万100円に生計を同一にする第1子と第2子は1人につき22万4500円、第3子以降は1人につき7万4800円を加算した額である。子に支給されるときは、78万100円に第2子につき22万4500円、第3子以降1人につき7万4800円を加算した額を子の数で割った額がそれぞれの子に支給される。

第1号被保険者の独自給付

 国民年金には、老齢基礎年金の給付のほかに、自営業者等の第1号被保険者のみを対象とする以下の3つの独自給付がある。

付加年金

 これは、老齢基礎年金に上乗せされる任意加入制の給付で、付加保険料を納付した第1号被保険者が、老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給される。

寡婦年金

 これは、国民年金保険料の納付済期間と、免除期間を合わせて25年以上ある夫が年金をもらわずに死亡したとき、妻に支給される年金である。

死亡一時金

 これは、第1号被保険者としての保険料を36月以上納付した者が、老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも受給しないまま死亡し、その遺族が遺族基礎年金を受給できない場合、遺族に支給されるものである。 

国民年金の財源

 国民年金の給付費のうち基礎年金給付費は、保険料と国庫負担によって賄われている。

 保険料は、全被保険者が負担するが、第1号被保険者は基礎年金保険料分を含めて保険料を負担し、第2号被保険者と第3号被保険者の基礎年金保険料分は、各被用者年金の保険者が被保険者数に応じて拠出金として一括して負担する。この費用負担には免除制度があり、第1号被保険者では、法的免除と申請免除がある。また学生に関しては申請により保険料の納付が猶予される学生納付特例制度がある。 

従来の年金制度の問題点

 従来の日本の年金制度上、国民年金に上乗せして厚生年金に加入している会社員等の給与所得者と、国民年金だけにしか加入していない自営業者などの国民年金の第1号被保険者とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じていた。そこで、自営業者などの上乗せ年金を求める強い声があり、国会審議などを経て、厚生年金などに相当する国民年金基金制度が平成3年4月に創設された。基金の加入資格は、国民年金の第1号被保険者で20歳以上60歳未満の者であるが、第1号被保険者であっても国民年金の保険料納付免除者および農業者年金の被保険者は加入できす、また加入後、任意には脱退できない。なお、2011年の改正で、新たに国民年金の任意加入被保険者(日本に居住する60歳以上65歳未満の者)が基金に加入できようになった。

現状の年金制度の問題点

  このような国民年金制度には現状、いくつかの問題がある。その1つに少子高齢化がある。

 日本の年金制度は賦課方式で、現在支給されている高齢者の年金は、現役世代の納めている保険料で賄われている。現在の日本は現役世代3人で、高齢者1人の年金を支えている。この状態でも、かなり厳しいバランスだか、2050年には現役世代1人で、1人の年金を支えなければいけないという予測が立っている。

 現状の対策としては、高齢者がもらう年金支給額を減額するか、現役世代が納めている保険料を増額しなければならないとしている。将来的にはこの賦課方式に変わる新たな年金制度の方式が必要と考える。

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