認知症の症状分類と対応について

  • 2月 24, 2021
  • 9月 13, 2021
  • 医学
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認知症の症状

 認知症の症状は、中核症状周辺症状にわけられる。認知症に対する効果的な薬物療法がないといわれるのは中核症状に対してであり、周辺症状に対しては薬物療法も一定の効果がある。また、生活環境や介護者の接し方などによって改善する可能性もある。このような意味でも、中核症状と周辺症状とを区別しておくことには治療的な意味がある。 

中核症状

 基本的にすべての認知症患者に現れ,一般に固定的であり進行的である。もの忘れや見当識障害などの中核症状の改善は困難である。中核症状は認知症の重症度を判定する際の目安にもなるものである。中核症状には、記銘力障害・記憶力障害、判断力の障害、問題解決能力の障害、実行機能障害、失行・失認・失語などである。 

周辺症状(BPSD)

 中核症状によって及ぼされる生活障害のことである。個人差や生活環境などによって周辺症状の出方は異なるが、精神症状が認知症の前に出現していた人などでは、周辺症状が加齢によるものだと思われてしまうこともある。周辺症状は、すべての高齢者に現れるわけではなく、一般に動揺性(比較的急性に症状が現れ、また回復する)がある。

周辺症状(BPSD)の症状について

 BPSDの症状としては、現実にはいない人や物が見える幻覚や、現実とは異なることを事実と思いこむ妄想、食べ物ではないものを口にする異食、介護者のケアを拒否する介護者への抵抗などが挙げられる。その他にも、不潔行為、依存、多弁、睡眠障害などの問題行動や、随伴精神症状とよばれる精神心理面症状が含まれている。また、問題行動は近年専門家の間では「認知症の行動・心理症状(以下BPSDとする)」とよばれている。

 BPSD改善のためには、本人へのケアだけでなく、家族が適切なケアができるよう支援するとともに、介護専門職自身もまた、自分が環境の一部であることを常に意識することが大切である。

 主な症状には以下のようなものがある。

徘徊

 徘徊はアルツハイマー型痴呆で激しく、ひたすら歩き回り、そのうちに体重も減り、場合によってはパーキンソン病のような小刻み歩行になっていくこともある。自分のいる場所が分からなくなる見当識障害によるものである。 

不眠

 時間の感覚がくるってしまっていて、昼夜の区別がつかない(夜間せん妄)ことによるものや、必要以上に神経を使いすぎて眠れなくなるトイレにたどり着くのが遅すぎてもらしてしまった時などに、自己嫌悪や周囲への気がねをして不眠になる。

失禁、用便

 興奮状態となり、まわりからは些細にしかみえないことに刺激され、暴言を吐いたり暴行に及ぶこともある。また悲鳴のような大きな声で叫び続けるような場合もある。

妄想

 妄想は意識清明時やせん妄に伴う精神運動興奮としての幻覚・妄想も出現する。その多くは被害妄想であり、物盗られ妄想の形が多い。貯金通帳をしまっておいたと思った場所に見つからず、誰かが通帳を盗み銀行から金を下ろしてしまったなどと誤認する形で、妄想を形成していく。  

幻覚・幻聴

 実際に無いものが見える・聞こえる 

不安、不安感

 一人にされると落ち着かなくなる

焦燥

 イライラして落ち着かない

抑うつ状態、心気

 必要以上に身体の具合を気にする

暴言・暴動

 声を荒げたり、手をあげたりする

徘徊、食の異常

 異色、過食、拒食

介護への抵抗

 入浴や着替えを嫌がる

                            

BPSDの原因

 認知症高齢者のさまざまなBPSDは、家庭介護を困難にしている要因である。特に、歩行自立の状態で落ち着きなく徘徊を繰り返してしまう場合や、不穏興奮を呈しやすい場合には,リスク管理という点からも介護が困難となる。BPSDを軽減させるためには、認知症高齢者がおこすBPSDの原因を理解してみようとすることが必要である。  

 認知症の基本(中核)障害は主に記憶障害と見当識障害である。記憶障害があると、さっきしていたこと、考えていたことを忘れてしまう。それも部分的な物忘れではなく、記憶がすっぽりと抜け落ちるようになくなる。「私は何をしていたのか?」がわからないと、「これから何をしなければならないのか?」もわからなくなる。これに「ここはどこ?」「今はいつ?」「まわりにいる人は誰?」といった見当識障害が加わり、この状態が続くと,ついには「私は誰?」となってしまうことが多い。自分がこの状態に陥ったらと、想像してみると、いかに怖いものであるかは想像がつく。ただし、認知症高齢者自身はこの状況を分析的には理解できないので、この恐怖感は漠然とした不安感として、感情そのものに常に影響を与え続けることになる。この状態にいる者にとって安心できて確かなのは、記憶障害の影響を受けていないはっきりとした記憶のなかのくっきりとイメージできる自分だけである。しかし,周囲(環境・人)から見れば,外見だけでなく相互作用的にも、高齢者としての存在でしかない。ここに、現実の世界と本人の頭の中の世界との大きなズレが生じる。これもまた、不安感を助長するものとなる。これらの不安感が、焦燥や落ち着きのなさ、徘徊、不条理な怒りの表現、険しい表情や攻撃性といったBPSDを生み出してしまうと考えられる。どうすればこれらのBPSDを軽減させることができるかを考え、認知症高齢者がおこすBPSDの原因を理解してみようとすることが必要である。

福祉職員による認知症利用者への考え方。

上記のような症状を聞くと認知症利用者への対応は非常に難しいと感じるかもしれません。

確かに、理解の乏しさや会話がなかなか進まないなど支援の中で難しさがあるかもしれません。

しかし、それは「利用者の認知症の需要と人生の価値観」がマッチしていないためであると考えます。

認知症であることを利用者自身が把握し、自分の人生はまだこれからだと思うことが大切なのです。

利用者の多くが認知症になったら終わりと思う方がほとんどです。その一方で自分のやりたい事、今後やってみたいことを常に考えるようにしている人は認知症でも楽しい毎日を送っています。

ポイントは認知症利用者の価値観を把握し、楽しい毎日を送れるように共に考え事です。

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