がんと聞いて
皆さんにとってがんとはどのようなイメージでしょうか?
切らないと治らない、薬を飲み続けないといけない、死んでしまう、といったイメージが一般的ではないかと思います。
確かに末期がんでステージが進んだがんではかなり厳しい現実にぶち当たることもあります。
しかし、こうしたネガティブなイメージを持つことができていることは非常に幸運なことだと思います。
なぜなら、がんによりどのような最悪な結末を迎えるのかをあらかじめ知っているのであれば、その対策は容易です。
今回はどのような生活習慣ががんを予防するのか、免疫学の視点から解説したいと思います。
そもそもがんとは?
がんと聞いて何がどうなってがんと言われているのか説明するのは難しいと思います。
ここではまず、がんがどのようにして発生するのか簡単に説明したいと思います。
がんとは毎日私たちの体で作られている腐敗した細胞。
私たちの身体は約60兆という細胞から作られています。これらの細胞は常に一定ではありません。細胞は使い続けると腐敗してしまいます。この腐敗こそががんの正体です。つまりがんは全ての人に存在するものなのです。
でも、私は健康診断でがんは無かった。と言う方もいると思います。それは、体の働きにより、腐敗した細胞が新しい細胞に作り替えられているからです。
例えるなら、車のタイヤを長年使っていたらすり減ってパンクしてしまうから、新しいのに換えよう。といった感じです。
逆をいえば、この新しい細胞に作り替えるプロセスが上手くいかないと病気のがんとなっていまいます。
免疫能力の低下した方が発症する病気。
では、新しい細胞に作り替えるプロセスが上手くいかない要因は何なのか、それは
低体温
低血糖
高血糖
です。
まず、低体温ですが、がんは体温の低い人に多く発生していることが研究で発表されています。がんにかかったことのない人の体温は36.2~37.0度と言われており、進行性がんの方は35.4~36.4度と1度低いものとなっています。
そもそもがんは38.0度を超えると急速に活動が低下することが分かっています。これはつまり普段から体温を上げる習慣を身につけることが重要と言えます。
低血糖ですが、健康な人の血糖値は95.2~117.4mg/dlですが、進行性がんの方は96.8~153.8mg/dlと高くなっています。
高血糖ですが、健康な人の赤血球の数を比較すると、健康な人は407~485×10⁴/μℓですが、進行性がんの方は360~454×10⁴/μℓと、酸素を運ぶ赤血球が少ないことが分かっています。酸素は細胞を活性化させる大きな要因の1つです。酸素が十分に行き届かないということは体のガス交換がうまくいかず、二酸化炭素が多い状態となります。二酸化炭素が多いと細胞は活動は抑制され、腐敗するスピードを速めてしまいます。
がんはこれら3つの条件が重なった時にがんになると言われています。どれか一つでがんになるわけではありません。
がんを切除するだけでは解決にはならない。
上記の説明のように、がんは起きるべくして起こる反応であることが分かったと思います。しかしながら、現代の医学ではがんそのものを体から切り離すといった治療が主となっています。
現代のがんの治療法は主に、放射線治療、抗がん剤、外科手術となっていますが、これらはがんに絶対的効果があるとは言えません。
これらの治療はがんのみ綺麗に取り除くことはできず、必ず他の健康な細胞を傷つけてしまいます。細胞が傷つけば内臓、血管、筋肉に至る全ての構造に影響を及ぼします。その結果、先程説明した免疫力の低下へとつながってしまいます。
つまり負のループが形成されてしまうのです。
ではどういう治療法が良いのか、それは免疫力を大活性化させることです。がん自体も腐敗しているとはいえ、生きている細胞です。通常の細胞と同様にアポトーシス(役目を終えて自滅する作用)の働きがあると言われています。体の中でがん自体が増殖する必要性を感じなくなれば自滅します。
この自滅を促す条件が先程の低体温、低酸素、高血糖を抜け出すことなのです。
免疫能力の上げ方
がんの対処法が分かったところで、次はその具体的な手段を説明したいと思います。
それが以下の4つです。
体をしっかり温める。
低体温のところでも触れましたが、がんは高体温下では著しく活動が低下します。そこで最も効果的なのは必ず体温+2~4℃のお湯に浸かることです。いうまでもなく、お風呂に入ると体は温まります。入浴は足先から首下まで均一に温めることができ、免疫に大きく関わるリンパ球の働きが活性化します。
これは日ポリ化工株式会社温熱療法研究室の実験からも明らかとなっています。
研究では湯船派とシャワー派のリンパ球の数を比べており、リンパ球の理想値である2200~2800に対し、湯船派は2248、シャワー派は1901となっていた。
また、体を芯から温めることで不安やイライラといった気持ちを大きく低下させてくれます。がんの間接的な要因であるストレスの軽減にも大きな役割があります。
偏った食生活をしない。
自分の好きな物ばかり食べている方も要注意しなければなりません。
日本の食文化はここ数十年で異文化の食が主流となってきました。多文化交流は結構なことですが、如何せん、他国の食事の中には一品もので終わってしまう食事が多いので注意しなければなりません。
そもそも日本人は海外の人と比べて腸が長いので、消化に時間のかかる食べ物が体に合っています。代表的な物として、玄米、根菜類、キノコ、海藻などが消化管を適度に刺激し細胞を活性化させます。
また、こうした食べ物には食物繊維が非常に多く含まれているので、簡単には消化されません。そのため、満腹感が持続するだけでなく、血糖値の上昇も抑え、腸の動きを活発化させ、便通も改善します。
現在生まれてくる子供たちはどうなのか分かりませんが、元来日本人は牛乳や肉を十分に分解する消化酵素を備えていません。そのため、牛乳や肉といった動物性食品やそれらの加工食品は嗜好品としてたまに食べるとし、雑穀食をメインとすることをオススメします。
ごくたまに食べてこそ嗜好品の味も普段と違った味わいができるかもしれませんからね。