社会調査まとめ② 量的調査の方法1

全数調査と標本調査

量的調査は全数調査と標本調査に分けることができる。

全数調査

調査対象者(母集団)をくまなく調査する方法。

標本調査

調査対象者(母集団)の中から、一部を抽出し、その結果から、対象者のみならず、母集団全体の推定を行う方法。
 標本調査には有為抽出と無作為抽出がある。

有為抽出法

・標本抽出する時に調査者が恣意的に標本を抽出する方法。

・母集団を代表しているとは限らない。

無作為抽出法

・くじなどで無作為に標本を抽出する。

・母集団の性質について偏りの少ない標本を得やすい

  有為抽出法と無作為抽出法の主な抽出方法。

有為抽出法

判定抽出法

・母集団を代表すると判定される標本を抽出する方法。

クオーター法(割当法)

・調査項目に関係が深いと思われる属性ごとに母集団を分けて抽出する方法。

スノーボール法(縁故法)

・友人知人の紹介を受け、雪だるま式に標本数を増やす方法。

クラスター法

・地域や建物を無作為抽出し、そこに住む人を標本とする方法。

便宜的抽出法

・施設利用者や知り合いなど調査しやすい人を対象として抽出する方法。

無作為抽出法

単純無作為抽出法

乱数表を用いて、母集団から無作為に抽出する方法。

精度は高いが時間がかかる。

系統抽出法

・母集団に一連の番号を割り当て、乱数表で標本から抽出する方法。

・手間はかからないが、標本誤差が大きい。

多段抽出法

・母集団をいくつかの集団に区別し、その集団を無作為に抽出(1段目)、次にその集団の中から無作為に個人を抽出する(2段目)。

・単純無作為抽出法よりは精度が低い。

確立比例抽出法

・ある抽出段位(第1段)を調整して全ての人が選ばれる確率を平等にして抽出する。

・多段抽出法の精度を上げる方法。

層化抽出法

・母集団の構成員を、調査項目に影響する指標の層に分け、その階層ごとに抽出する標本数を割り振って抽出する方法。

・事前に各層ごとの情報が必要。

横断調査と縦断調査

 行わる調査の時間軸によって横断調査と縦断調査に分けることができる。

横断調査

・ある特定の時点での集団や社会の状態を調査する方法。(1回だけ調査する)

・1回限りの横断調査でも変数間の相関関係を見出すことはできるが、縦断調査の方が向いている。

縦断調査

・社会や集団の変化を捉えるため、繰り返し同一の調査を行う方法。

縦断調査は調査対象によって以下のような種類に分けることができる。

トレンド調査

・調査対象者の条件は同じだが、各調査の母集団は変わる

・例として高校1年の流行り調査等。

パネル調査

・母集団内で同じ対象者を繰り返し調査する追跡調査。

・時間の経過で対象者がいなくなり調査不可能となったことをパネルの摩耗という。

・例として○○高校1年生の△△さんの流行り調査等。

コーホート調査

ある期間に生まれた母集団を追跡して調査を行う。

・基本的に対象者は同一人物ではない。

・例として平成元年生まれの流行り調査等。

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