少子化を解消するための福祉サービスやプランについて

  • 2月 24, 2021
  • 9月 13, 2021
  • 福祉
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 日本の出生数、出生率については、年ごとに多少の振れはあるものの、減少傾向にあり、2005年の出生率は8.4,合計特殊出生率は過去最低の1.26を記録したが、近年はやや増加傾向にある。 

少子化の原因とは?

少子化の原因としては、未婚・晩婚化も進行と出世児の減少があげられる。完結出生児数は戦後大きく低下したあと、ここ30年間は2.2人でほぼ一定していたが、1.96人に減少した。合計結婚出生率はここ10数年間で1.5を割り込んでいることから、合計特殊出生率の低下の主たる要因は、晩婚化と未婚率の上昇によるが、最近は、夫婦の出生児数の減少による大きい。1975年の平均初婚年齢は女性で24.7歳、男性で27.0歳であったが、2010年には女性28.8歳、男性で30.5歳と男女ともに3歳以上も高くなっている。未婚率は、1975年頃から20歳以上のどの年齢層においても上昇しているが、とくに、25~29歳の年齢層についてみると、1980年の未婚率が女性で24.0%、男性で55.1%であったものが、2010年には女性で59.9%、男性で71.1%と大幅に上昇している。晩婚化に伴い、第1子出生時の母親の年齢は、1975年の25.7歳に比べると2011年には30.1歳と4歳も高くなっている。年齢的な限界から子どもを生むことを断念せざるをえない夫婦が増加し、出生児数の減少傾向も続く予測されている。また、1975年以降、20歳代前半から30歳代前半の女性の労働力は上昇し、青年期から中年期まで働き続ける女性が増加した。働く女性にとって、子育てと仕事の両立のむずかしさは深刻であることも少子化の一因としてあげられる。このような少子化の社会への変化は社会経済への影響も危惧されている。少子化の問題は、近い将来、労働力人口が減少し、高齢化が進み、経済と社会の停滞をもたらすとされている。 

国としての少子化対策とは?

上記のような結婚の晩婚化や少子化により、子どもと子育て家庭をめぐる社会環境は、大きく変化し、その課題も急速に広がり、一層複雑化している。そのような中で、少子化対策や子どもの福祉を推進するためには、子どもを中心に据えつつ、社会全体で支えていく考え方が重要である。 

わが国の少子化対策としては、平成2年に合計特殊出生率が1.57まで低下したことを契機として、少子化は大きな問題とされるようになり、6年には、政府において「エンゼルプラン」が策定された。さらに、11年には、エンゼルプランの見直しによる「新エンゼルプラン」が策定された。平成15年には、少子化対策基本法が制定され、同法に基づき、内閣府に、少子化対策会議が設置され、少子化対策の基本方針として「少子化対策体網」が内閣決定されるとともに、そこに盛り込まれた施策の実施計画として、「子ども・子育て応援プラン」が策定された。エンゼルプランや新エンゼルプランは保育サービスの計画的整備が中心であったが、子ども・子育て応援プランでは、若者の自立や仕事と家庭の両立支援(ワークライフバランス)等も含めた幅広い分野の施策が必要との視点から目標が掲げられた。同じ平成15年に成立した次世代育成支援対策推進法においては、次世代育成支援策について、国が定める指針に基づき、地方公共団体や企業においても行動計画を策定し、取り組みを進めていくことが定められた。平成24年には、子ども・子育て関連の制度、財源を一元化して新しい仕組みを構築する狙いの下、子ども・子育て支援法の制定等が行われた。子育て支援を総合的に推進するとの趣旨の下に、認定こども園・幼稚園・保育園・保育所を通じた共通の給付(施設型給付)および小規模保育等への給付(地域型保育給付)の創設、地域の子ども・子育て支援の充実、子ども・子育て会議の設置等を内容とするものである。 

子育て家庭の支援とは?

子育て家庭の支援は、児童福祉法を基本とするさまざまな法令や機関、専門職をはじめとする各種人材による総合的・体系的に推進されている。児童福祉に直接かかわる法律としては、「児童福祉法」がそれを直接支える。児童福祉法は、次代の社会の担い手である児童一般の健全育成と福祉の積極的増進を基本精神する、児童福祉に関する基本的な法律である。児童福祉を直接支える法律には5つあり、児童福祉法とあわせて児童福祉六法と言われている。

1つ目は児童扶養手当である。これは父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立促進に寄与するため、その児童について児童扶養手当を支給するものである。

2つ目は特別児童扶養手当等の支給に関する法律である。これは精神または身体に障害を有する児童について特別児童扶養手当を、精神または身体に重度の障害を有する者に特別障害手当を支給するものである。

3つ目は母子及び父子並びに寡婦福祉法である。これは母子家庭および父子家庭ならびに寡婦の生活の安定と向上のために必要な措置を講じることにより福祉の向上を図るものである。

4つ目は母子保健法である。これは母性ならびに乳児、幼児の健康の保持および増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、保健指導、健康診査、医療などの措置を講じるものである。

5つ目は児童手当である。これは児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成および資質の向上に質するものである。

少子化対策で生まれた問題点とは?

このようにして、少子化問題への対策が行われたが、それに伴い、さまざまな課題が生まれた。その1つが財源も問題である。社会保障の充実の財源に充てられる2.8兆円(国及び地方の合計額)のうち、0.7兆円程度を子ども・子育て支援に充てることとされており、また、これを含め1兆円超程度の財源を確保し、子ども・子育て支援新制度に基づく幼児教育・保育・地域の子育て支援の更なる充実を図ることとしている。そのため、内閣府としても消費税率の引上げにより確保する0.7兆円程度以外の0.3兆円超の確保について、最大限努力するものとする旨の記述が盛り込まれている。このことから、社会保障の財源を大きく圧迫していることが分かる。制度の「量的拡充」と「質の向上」のバランス調整が大きな課題点となる。 

今後求めらる少子化対策とは?

現代の家族生活は、小さな世帯内での自己完結的な生活を営むことはもはや困難であり、世帯を超えた相互扶助のネットワークや種々の社会的制度・組織・サービスに頼らざるを得ない状況となっている。育児は母親だけが担うものではなく、祖父母や子ども、その他の親族や地域社会も関わり、親にとって子どもを産みやすい、育てやすい環境を、子どもにとって育ちやすい環境を提供していかなければならない。

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