社会福祉士国家試験とは
社会福祉士の国家試験は他の試験と比べてやや特殊な試験構成となっている。全18教科からなる150問でだいたい60%得点することで合格できると言われている。全国の合格平均は30%前後となっており、一見難しそうに思えるが、これはあまり勉強に時間を割けなかった社会人受験者と記念受験者により下がっているためである。継続して学習を重ねた現役の学生等は約50~60%の合格率となっている。このため決して難しすぎる試験ではないことを理解してもらいたい。とは言え、試験科目は分野が広く、とっつきにくい分野もある。さらに各科目で0点が1つでもあれば即不合格となる。これらの特徴を踏まえてどういった勉強方法が良いのかを私なりにお伝えできればと思う。
学習手順
試験勉強をするにあたって以下の5つの手順で学習するのが良いと考える。
①相性の良い参考書と出会う。
②読んで理解できる問題とできない問題に分ける。そして早めに解決する。
③過去問にあたる。
④最新の調査結果を把握する。
⑤一問一答をする。
である。
①の相性の良い参考書であるが、これは読みやすさを優先すれば良い。カラーで絵の多いものでも、文字多めで分厚いものでも構わない。この段階でまず大切なのはまず勉強のモチベーションを高めることである。例え90%の情報量の参考書でも読む気にならなければ意味はない。それなら70%しか書かれていない参考書で70%の知識をつける方がよっぽど効率的である。 ちなみに私はTAC出版みんなが欲しかった! 社会福祉士の教科書で勉強を始めた。カラーも多く、必要最低限の情報がしっかりと入っているので基礎固めはこれで十分であると感じた。
②の問題を分ける意味としては、ストーリーで理解するためである。どういう意味かというと、社会福祉士の問題の中には福祉の歴史を問う問題がある。歴史は人によってかなり苦手意識を感じている方が多い。これは各年代で起こった出来事の意味を理解していないためであると考える。 この各年代の出来事の意味を理解し、ストーリーで理解することで驚くほど得点をあげることができる。なぜなら時代背景がつかめることで、選択肢の中に、明らかこの年代でこの政策はおかしい、と判断することができるためである。機械的に用語だけ覚えてしまうと、どういう経緯でそうなったのか理解できず、結果選択肢も消去法が使えなくなってしまう。
③過去問であるが、これは中央法規の過去問を強く推奨する。なぜなら中央法規の過去問は国家試験作成者が作っており、解説も重要な部分が分かりやすいからである。ちなみに程度学習が進んだら過去問にあたるのかというと、まず参考書で1科目を読み、ある程度理解する。その後読んだ科目と同じ科目を中央法規の過去問を使って5年分解く。こうすることでインプットとアウトプットを効率的に行うことができ、さらに参考書には載っていない問題にもあたることができ、さらに理解を深めることができる。
④の最新の調査結果であるが、これは今年特に重要なポイントとなる。なぜなら昨年国勢調査が行われたからである。国勢調査が行われるとそれまでのデータ物の数字が変更されるため、必ず押さえておかなければならない。また、社会福祉士の国家試験は年度にもよるが、各分野の調査結果や報告書の内容を問う問題も出題される。今年の33回の国家試験でもこの報告を問う問題がいくつか出題された。参考書に載っている用語にばかり気を取られてしまうと、こうした問題に対応できないことがあるので十分注意しておきたい。 ちなみにデータもの学習方法であるが、細かな数値で覚える方法はほぼない。というのも、ピンポイントで小数点までの数値を問うよりは、他の数値と比べて高いか低いかという問い方が多いためである。私は大体〇割という感じで覚えた。
⑤の一問一答であるが、これはある程度学習が進んだ段階で取り入れたい。人によっては一問一答は必要ないというが、私はやるべきであると考える。なぜなら過去問になれすぎてしまうと、5肢択一の中から間違っているものを外すよりも、答えを探してしまうためである。もちろんそれで正解にたどり着けるのであれば良いが、実は他の選択肢が答えだったということもあり得る。そこで一問一答に慣れておくと、一門一門に向き合うことができ、何故違うのか、何故正解なのかを理解することができる。 ちなみに私はユーキャンの社会福祉士 これだけ! 一問一答&要点まとめを使っていた。問題数がなんと1500問もあり、易しい問題からやや難しい問題まで幅広く掲載されている。何よりこれだけ問題数があって手帳サイズなのがありがたい。
まとめ
基本的には上記の手順をくり返すことで合格に必須の60%は到達できる。今回は勉強の大まかな手順だけを述べたが、社会福祉士の勉強は長期間の学習を要するのでモチベーションを維持することも重要である。自身の体調、やる気等と相談しながら無理のない学習計画を立てて学習に臨んでほしい。